2010年12月15日改定
日本テレマークスキー協会レース規定
日本テレマークスキー協会(以下TAJ)が定めた全ての規定、規則を理解することは、レーサーの義務である。
また、全ての解釈は競技委員長によってなされる。
Ⅰ テレマークターン
- コースのスタートからゴールまでテレマークターンを要求する。
テレマークターンとは滑走中に以下に示すポイントが全て満たされているかによって判断される。
但し、フリーゾーンを除く。
- )ターンとターンは一つに繋がっており、テレマークターンから次のテレマークターンへ連続した動きをしなければならない。これは、後ろにある足が最も後ろに位置したところから前に動き始めたときが次のターンの始まりであり、そして反対の足より最低ブーツ一足分の長さだけ前へ足の位置が移動するまで間断の無い連続した動きでなければならないことを意味する。
- )内側のスキーが後ろにならなければならない。
内側のブーツの先端から、外側のブーツの踵までの間隔は最低ブーツ一足分の長さがなければならず、それはスキーの向きで計られる。
- )内側スキーの踵は、スキーから明確に上がっていなければならない。
- )全てのターンはテレマークテクニックをもって実行されること。
- )旗門に対してどこでターンするかは競技者自身が決定する。
- )テレマークテクニックでターンを始めてパラレルターンで終える、またその反対の動作などは認められない。
- )転倒しながら旗門を通過したり、片方のスキーだけで(スキーが片方外れている場合など)旗門を通過することはペナルティーとなる。
ただし、フィニッシュゲートは除く。
- テレマークターンを要求しないフリーゾーンは、以下に示す4項目とする。その区間においては、パラレル、プルーク、スケーティング等自由とする。 フリーゾーンは、始まりを青のライン、終わりを赤のラインによって明示され、ジャンプサッツ及びフリーゾーン内の誘導旗門にはイエローフラッグが使用される。
- )スタートから第1ゲートの前までの区間
- )ジャンプ台前後の区間
- )最後のゲートの後からゴールまでの区間
- )競技上必要とされる区間
Ⅱ 公式種目規定
- 以下の3種目を公式種目とする。
- )ジャイアントスラローム(GS)……2走のタイム、ペナルティーの合計による
- )スプリントクラシック(SP)……2走のタイム、ペナルティーの合計による
- )クラシック(CL)……1走のタイム、ぺナルティーの合計による
Ⅲ ゲートジャッジ規定
- ゲートジャッジの責任は、レーサーがテレマークターンの基準を満たしたかどうか、又ゲートを両スキーが完全に通過したか、 コースアウトしたかどうかを判断する。
- ゲートジャッジの位置と受け持つゲート数
定位置方式 : 一人のゲートジャッジの受け持つ範囲は4ゲートを限度として、コースサイドの定位置でジャッジする。
- ペナルティーチェックリスト、集計用紙は公表しない。
- ゲートジャッジはレース前にオフィシャルゲートジャッジによるジャッジ研修を受けたものでなければならない。
- ゲートジャッジは、レースに参加することはできない。
- ペナルティーの判断は、ゲートジャッジの決定が最終のものである。
- レーサーがレースの開始より終了まで、ゲートジャッジに対してペナルティーの有無について、および抗議等について発言があった場合、そのレーサーを失格にすることができる。
- ゲートジャッジは、レーサーに対し、必要以上に有利と思われる発言があってはならない。
- TAJポイントシリーズレースには、2名以上の「TAJオフィシャルゲートジャッジ」が大会役員として他のゲートジャッジ゙の指導にあたらなければならない。
Ⅳ コース規定
- レースの円滑な運営のため、コースはリフト側にあること。
- コースは一般スキーヤー等が入り込まないようフェンス等で隔離しなければならない。
- ゴールおよびスタート地点からコース全体が見渡せることが望ましい。
- 1回のコースタイムは、GS: 45秒以上、SP:60秒以上、CL:100秒以上を推奨する。
- コースの中に1.5m以下のジャンプ台を、1台以上設けること。但しコースコンディション等によりやむを得ずジャンプ台を設けることが出来ない場合は、この限りでない。
- ジャンプ台には、男子、女子及びマスター別に赤い最低飛距離ラインが設定される。(女子及びマスターは同じラインとする。)
- )GS、SPには1本の最低飛距離ラインが設定される。
- )CLには2本の飛距離ラインが設定される。
- SP、CLには360度ターン及びランセクションが設定される。
- コースの旗門は両側旗門(双旗)とする。コースコンディション等によりやむを得ない場合片側旗門でもよい。
Ⅴ ペナルティー規定
- テレマークターンの規定に違反した場合、各ゲートについてそれぞれ1秒のペナルティーが、そのレーサーのタイムに加算される。
- ジャンプ最低飛距離ラインをクリアしない時は、ペナルティーが課せられる。
- )GS、SPでは最低飛距離ラインをクリアしない時、2秒のペナルティーとする。
- )CLでは2本の飛距離ラインが設けられ、第1ラインをクリアしない時は6秒、第2ラインをクリアしない時は3秒のペナルティーとする。
※ 着地時の後ろ足の踵がラインを超えたか否かで、判定を行う。
- ジャンプの着地が、ブーツ一足分開いたテレマークポジションで行われない場合、1秒のペナルティーとする。
※ 着地の瞬間、両足がそろった状態から速やかにブーツ一足分開いたテレマークポジションに至る。もしくは、小さなテレマークポジションで着地し、ブーツ一足分開いたテレマークポジションに至った場合はペナルティーではない。
Ⅵ 失格規定
- 用具規定以外の用具を使用した場合は、失格となる。
- コースアウトは、失格となる。
- 競技の進行を妨げた場合は、失格とする。
- 閉鎖されたコース内に入った場合、失格となる。
- スタートコール不在の場合、そのレーサーを失格とする。
- <インスペクションの際、ゲートをターンで通過したり、コース内を滑走した場合失格となる。/li>
- 競技やインスペクションの際、ゼッケンを着用しないでコースに入った場合失格となる。
※ゼッケンは前後から見えるよう着用する事。
Ⅶ ポイントクラス規定
- ポイントクラスには以下の3クラスがある。
- )男子ポイントクラス
- )女子ポイントクラス
- )ポイントマスタークラス(レース日において40才以上の男女によって構成される)
- )ポイントグランドマスタークラス(レース日において55才以上の男女によって構成される)
- 注1)レース日において、40才以上の男女は、ポイントクラスまたはポイントマスタークラスのいずれかを選択することができる。
- 注2)レース日において、55才以上の男女は、ポイントクラス、ポイントマスタークラス、ポイントグランドマスタークラスのいずれかを選択することができる。
- ポイントが獲得できる者は当該シーズンの12月31日までにTAJ会員登録手続きを済ませた会員のみである。
ただし、12月に開催される大会に関しては大会開催日までにTAJ会員登録手続きを済ませた会員のみとする。
- TAJレース規定(用具規定等)に反する場合、オープン参加となる。 *オープン参加の場合順位は得られない。
- 大会主催者の判断により、会員外でもゲストレーサーとしてエントリーすることができる。
- 獲得ポイントと順位
- [男子ポイント][ポイントマスター]
1位…26ポイント 2位…22ポイント 3位…19ポイント 4位…17ポイント 5位…16ポイント
6位…15ポイン 7位…14ポイント 8位…13ポイント 9位…12ポイント 10位…11ポイント
11位…10ポイント 12位… 9ポイント 13位… 8ポイント 14位… 7ポイント 15位……6ポイント
16位… 5ポイント 17位… 4ポイント 18位… 3ポイント 19位……2ポイント
20位以下・・・・・完走者全員に1ポイント
- [女子ポイント] [ポイントグランドマスター]
1位…16ポイント 2位…12ポイント 3位… 9ポイント 4位… 7ポイント 5位… 6ポイント
6位……5ポイント 7位… 4ポイント 8位… 3ポイント 9位……2ポイント
10位以下・・・・・完走者全員に1ポイント
※ゲストレーサーが上記ポイント獲得順位内に入った場合、そのポイント獲得者は出ない。
- 獲得ポイントは、そのシーズン(1シーズン)のみ有効とする。
Ⅷ スタート規定
- レーサーは、スタート10分前にはスタート地点に集合していること。
- ポイントクラス
- 出走順については、以下の通りとする。
1走目 : 今シーズンのポイント獲得1位が5番スタート、2位が4番スタート、3位が3番スタート、4位が2番スタート、5位が1番スタート、6位が6番スタート、以下はポイント獲得順とする。
2走目 : 1走目の出走順で最終走者~1番とする。
- 今シーズンのポイント獲得が参考にならない場合は、前年度のポイントを参考にする。
Ⅸ 用具規定
- テレマークブーツ
- ブ-ツの母指球の部分で曲げることができるもの。(ヒールフリーができること)
- テレマークスキー用として市販されているものであり、改造されたブーツは使用することができない。
- バインディング
- テレマークターンを行うに必要である、かかとが自由に上がる動きができること。(ヒールフリーができること。)
- 流れ止め、ストッパー、スキーブレーキ等を必ず取り付けること。
- 男女ポイント、マスタークラス、グランドマスタークラスに出場する選手は、「リリース機能付きバインディング」の使用が望ましい。
※大会主催者の判断により、使用を義務づける場合は要項等に明記する事。
- ヘルメット
- 男女ポイントクラス、マスタークラス、グランドマスタークラスに出場する選手は、「頭部保護用ヘルメット」を着用し競技を行うこと。
- ゴーグル
- 男女ポイントクラス、マスタークラス、グランドマスタークラスに出場する選手は、ゴーグルを着用し競技を行うこと。
Ⅹ 抗議
- 抗議は各クラスのタイム掲示後5分以内に口頭で、競技委員長に行わなければならない。
- 抗議のさい、デポジット(エントリーフィーと同額)を支払わなければ、その抗議は審査されない。抗議が認められた場合のみ、デポジットは返還されるが、認められない場合はレースの運営会計に入る。
※タイムの掲示はゴール付近に設置された掲示板等にて行われる。
Ⅺその他
- 再レ-スの根拠となるのは、他のレーサー、見物人、フリースキーヤーの妨害、タイム計測ミスの場合である。
- インスペクションにおける、ジャンプ、ランセクションの試走は大会役員の指示に従う事。/li>
Ⅻ全日本選手権(オールジャパン テレマークチャンピオンシップス)の特別規定
- 参加資格
指定の期日までに全日本選手権参加申し込み手続きとTAJ会員登録手続きを済ませた者。
- クラス
参加クラスは以下の3クラスとする。
- 男子ポイントクラス
- 女子ポイントクラス
- ポイントマスタークラス (レース日において40才以上の男女によって構成される)
- ポイントグランドマスタークラス(レース日において55才以上の男女によって構成される)
- 注1)レース日において、40才以上の男女は、ポイントクラスまたはポイントマスタークラスのいずれかを選択することができる。
- 注2)レース日において、55才以上の男女は、ポイントクラス、ポイントマスタークラス、ポイントグランドマスタークラスのいずれかを選択することができる。
- 順位
- 以下の3種目全てを完走して獲得した合計ポイントの最も高い選手が全日本選手権チャンピオンとなる。
a. ジャイアントスラローム(GS) ……2走
b. スプリントクラシック(SP) ……2走
c. クラシック(CL) ……1走
- 獲得できるポイントは規定 Ⅶ-1-(5)『獲得ポイントと順位』と同じ。
- 天候等、何らかの原因により全ての種目が実施されなかった場合は、実施された種目で得たポイントによる総合結果で順位を決める。
- 二人以上の選手が同ポイントになった場合は、クラシック(CL)の成績が優れている選手が高い順位になる。
- (3)及び(4)においても順位決定できない場合はスプリントクラシック(SP)の成績が優れている選手が高い順位になる。
- 出走順
- 出走順については、以下の通りとする。
1走目:前年度のシリーズ戦ポイント獲得1位が5番スタート、2位が4番スタート、3位が3番スタート、4位が2番スタート、
5位が1番スタート、6位が6番スタート、以下はポイント獲得順とする。
2走目: 1走目の出走順で最終走者~1番とする。