日本におけるテレマークスキーの歴史や先人の築いてきた文化と技術検定は相容れないもの、もしくは対極に位置するもの・・・
そういったイメージが少なからずあることを理解したうえでこの技術検定の制度設計を創めました。
今回の検定制度を始める際に最も重視したのは「既存のテレマークスキー文化の一部を変えたり価値観を変更するものではなく、
新しいテレマークスキーの遊び方を提供する」というスタンスです。
TAJが検定を始めることによってテレマークスキーの滑走技術が過度に「型にはまった」ものにならないように
検定を開始し運用していくことは一番重視していく点です。
TAJでは過去に技術体系をまとめた「日本テレマークスキー教程」という形でひとつの技術的見解をまとめました。
それ以降、公認指導員制度を通じて基本的にはこの教程の技術を継承しています。
この教程をベースにしつつも現在では各地で公認指導員が現場での実情に合わせて技術を研究進化させています。
このような公認指導員制度や公認スクールの活動などで蓄積されたノウハウをベースに教育事業部が設計した
検定制度をスタートさせます。
検定制度の基礎的な評価観点はあらゆるテレマークターンに共通するもので、それを状況に合わせて変化・応用させることで
バックカントリーの分野などあらゆるコンディションでの滑走技術に活かすことができます。
また検定で設定されたレベルを順に目指すことで初心者の技術向上をより早く確実に促すことができます。
合格の認定を受けると合格証が発行されます。合格認定証は携帯しやすいクレジットカードサイズです。
TAJのHPおよび雑誌等にて合格者を発表します。希望しない方は非公開にできます。
ゲレンデの緩中斜面で比較的スムーズなテレマークターンができる
ゲレンデの緩中斜面で比較的スムーズなテレマークターンができる
ゲレンデの急斜面で大回りも小回りも正確にできる
レベル3よりさらに高いスピードと正確な弧で洗練されたテレマークターンができる
1
テレマークターン大回り2
テレマークターン小回り3
テレマークターン総合滑降検定する斜面の難易度が低いのがレベル1で最も急な斜面で行うのがレベル4ということになります。またレベルが高いほどその種目の完成度は高いものが要求されます。
テレマークスキーは道具の多様性においてはバラエティに富んでいます。
検定の対象者を道具によって制限することは一切ありません。反対に道具によって評価基準や評価観点を変えることもありません。
検定員は設定された検定斜面を滑るときのパフォーマンスのみに着目し、道具に関係なく評価基準に達しているかどうかを採点します。
今季よりすべてのレベルを公認校で受験可能なのでレベル1・レベル2・レベル3・レベル4の検定は、各検定実施スクール、教育事業部の主催する検定会で受験可能です。
レベル1とレベル2は受験資格は不要です。緩~中斜面を滑走可能な方ならどなたでもお申し込みいただけます。
レベル3は中学生以上でレベル2の合格認定が必要です。
レベル4は中学生以上でレベル3の合格認定が必要です。
各検定実施スクールに直接申し込みいただきます。
教育事業部主催の検定会はTAJにお申し込みいただきます。
検定実施の際には検定直前に1.5時間の事前講習を行います。
事前講習では当日のゲレンデコンディションの確認と検定内容の説明、検定実施斜面の試走も含まれます。
人数にもよりますがほとんどの場合おおよそ半日で終了します。
検定の1種目の点数は100点満点として1点刻みで採点する。
3種目の合計点が180点以上
(1種目平均60点)。
3種目の合計点が195点以上
(1種目平均65点)。
3種目の合計点が210点以上
(1種目平均70点)。
2名の検定員の3種目の合計点が450点以上
(1種目平均75点)。
※レベル1〜3
上記は検定員が1名の場合で複数(n人)の場合は上記の合格点×nが合格点となる。
種目ごとの合格最低点は設けず3種目の合計で判定する。
※レベル4
上記は検定員が2名の場合で2名以上(n人)の場合は上記の225点×nが合格点となる。種目ごとの合格最低点は設けず3種目の合計で判定する。
レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 |
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受験資格 |
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誰でも受験可能 緩~中斜面を滑走可能な方 |
誰でも受験可能 緩~中斜面を滑走可能な方 |
レベル2認定者 中学生以上 |
レベル3認定者 中学生以上 |
検定種目 |
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各レベルとも種目は同じ。レベルによって検定斜面が異なる |
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検定斜面 |
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緩~中斜面 整地またはナチュラルバーン |
緩~中斜面 整地またはナチュラルバーン |
急斜面を含む総合斜面 整地またはナチュラルバーン |
急斜面を含む総合斜面 整地またはナチュラルバーン |
合格基準点 |
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検定員1名 1種目100点×3種目の300点満点中 180点以上 1種目平均点60点以上 |
検定員1名 1種目100点×3種目の300点満点中 195点以上 1種目平均点65点以上 |
検定員1名 1種目100点×3種目の300点満点中 210点以上 1種目平均点70点以上 |
検定員2名 1種目100点×3種目の600点満点中 450点以上 1種目平均点75点以上 |
検定の実施 |
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1 TAJ公認スクール(検定実施学校) 2 TAJ教育事業部 | |||
検定員 |
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1名以上で実施 | 2名以上で実施 | ||
事前講習 |
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検定当日に1.5時間の講習を受けなければならない | |||
事前講習料金 |
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事前講習料金はスクールによって異なるので各スクールにご確認ください | |||
検定受験料 |
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2,000円全国一律料金 | 3,000円全国一律料金 | ||
合格者認定料金 |
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2,500円全国一律料金 | 3,000円全国一律料金 |
連続したテレマークターンの完成度を各レベルに応じて評価する。
テレマークターンの切り替え方法や姿勢、前後差、その他についての規定は設けない。
用具についても特に規定は設けない。